カテゴリー「労働者派遣法」の10件の記事

2009-12-23

派遣法施行規則の改正

平成22年3月1日施行の改正内容です。派遣元が社会保険等に未加入のまま派遣スタッフを派遣しているケースがあるため、より厳格に行政がチェックする内容に改正されます。


労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案について

(概要)
1 趣旨
現在派遣元事業主に対して、毎事業年度経過後3月以内に事業報告書等の提出を求めているが、労働者派遣事業に係る早期の実態把握等の観点から、事業報告書について、提出期限を早める等の改正を行う。
また、昨秋以降の経済情勢の悪化に伴う派遣労働者の解雇・雇止めにおいて、社会保険・雇用保険(以下「社会保険等」という。)に加入していない派遣労働者が見受けられたとの指摘を踏まえ、一般労働者派遣事業の許可更新時等における、社会保険等の加入状況の確認を厳格化する。

2 改正概要
(1) 労働者派遣事業に係る事業報告書関係
①事業報告書の様式改正
事業報告書の記載事項のうち、毎年6月1日現在の「派遣労働者の数及び登録者の数」及び「雇用保険及び社会保険の派遣労働者への適用状況」の項目については、別様式により作成し、提出することとする。
②事業報告書の提出期限の改正
現在、毎事業年度経過後3月以内に提出を求めている事業報告書について、提出期限を毎事業年度経過後1月以内とする。また、①で新設した様式の提出期限を毎年6月30日までとする。
※ ・毎年6月1日現在の雇用状況等の報告-毎年6月30日まで
・毎事業年度の労働者派遣の実績等の報告-毎事業年度経過後1月以内
・毎事業年度の収支決算書-毎事業年度経過後3月以内(改正なし)

(2) 労働者派遣事業に係る事業計画書関係
①事業計画書の様式改正
個々の派遣労働者の社会保険等の未加入状況を把握するため、一般労働者派遣事業の新規許可及び許可更新並びに特定労働者派遣事業の届出の際に添付する事業計画書の様式に下記の事項を加える。
(ⅰ) 派遣労働者数
(ⅱ) 健康保険・厚生年金保険、雇用保険の未加入者数
(ⅲ) (ⅱ)の未加入者の氏名及び未加入の理由
② 一般労働者派遣事業許可更新の申請期限の改正
社会保険等の未加入が疑われる派遣元事業主に対し、社会保険等担当部署が実地調査等を行う期間を確保するため、許可更新申請書の提出期限を、許可の有効期間が満了する日の3月前に改める(現行30日前)。

3 施行期日
平成22年3月1日(一部経過措置あり)

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2009-12-18

派遣規制に経過措置

長妻昭厚生労働相は17日、日本経済新聞とのインタビューで、来年の通常国会への提出を目指す労働者派遣法改正案について「激変緩和ということもある」と述べ、法案成立後、施行までに3年程度の経過期間をおく方針を示唆した。法案は製造業派遣や登録型派遣の原則禁止が柱。月7万円の最低保障年金など年金制度の抜本改革に向けた制度設計を2年以内に着手する意向も示した。 厚労相が派遣規制の強化に経過期間を設ける考えを示唆したのは、経営側や派遣会社に一定の準備期間を与える必要があると判断したためだ。雇用や経済情勢が不安定な中、仮に来年度から派遣規制に乗り出せば企業活動への影響は避けられない。規制強化が雇用機会を奪いかねないとの懸念もある。法律の公布から施行まで周知期間を十分とり、制度を浸透させたいとの思惑もある。(12/18,NIKKEI NET)

製造業派遣、登録型派遣の原則禁止については、さんざんこのブログでも書いてきたが、そもそも何故禁止する必要があるのだろう。理由としてよく言われることは雇用が安定しない、格差があるというたぐいのものだろう。では、派遣という働き方を自ら良しとして選択している人たちはどうなるのか。正社員では今の生活が成り立たないケース、例えば、小さなお子さんを抱えて正社員と同じように残業、出張ができないので派遣が都合がいいとおもっている方々も大勢いる。もちろん、そんなニーズを叶えてくれる会社があれば正社員がいいに決まっている。しかし、世の中そんなに甘くはないのだ。その問題を解決しないでおいて、先に派遣の規制を強化してどうするんだ。まったく分かっていないとしかいいようがない。

子供手当てにしても然り。現金もらってそりゃあ助かるだろうが、そもそも、子供を預けるところがなけりゃ、やっぱり限定された仕事(例えば、派遣、パートなど)を選択せざるを得ない。だったら、現金配るよりも先にやることがあるだろう。例えば、企業が自社内で保育施設を作ることに国が助成するとか。

民主党さんよろしく頼みますよ。優先順位を間違えないで欲しいのです。

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2008-11-15

派遣会社はピンハネを行っているのか?

派遣先は50万円を派遣会社に支払っているのに、派遣会社は派遣労働者に20万円しか渡さないのはまさにピンハネ行為だという議論があります。いわゆる「ピンハネ」」は労基法6条でいう「中間搾取搾取」といい、禁止されていますが、これは、全く当たらない論ですので以下説明します。

その前に…

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労基法4条が禁止するのは、「業として他人の就業に介入して利益を得る」ものをいいますので、議論の前提として、その要件に該当するか否かをみなければなりません。この「業として他人の就業に介入して利益を得る」点、について、「利益を得る第三者と、使用者と被用者の三角関係の存在が必要である。」(昭23・3・2基発第381号)と通達されています。

厚労省も、「労働者派遣については、派遣元と労働者との間の労働契約関係及び派遣先と労働者との間の指揮命令関係をあわせたものが全体として当該労働者の労働関係となるものであり、したがって派遣元による労働者の派遣は、労働関係の外にあたる第三者が他人の労働関係に介入するものではなく、労働基準法第6条の中間搾取に該当しない。」(昭61・6・6基発第333号)と通達しています。

派遣会社は派遣先と派遣契約を結び、自社で雇用する労働者を使って派遣先にサービスを提供しているのであり、それによって得た利益の中から派遣会社が派遣労働者に賃金を支払っている構造ですから、いわゆるピンハネ行為に当たらないのは明らかです。

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2008-10-26

労働者派遣契約と派遣労働契約の違い

労働者派遣契約とは、当事者の一方が相手方に対し労働者派遣をすることを約する契約をいう(派遣法26条)とあります。派遣先は労働者派遣契約を派遣会社と結び、その契約に従って派遣社員を受入れて、指揮命令をし業務に従事させることが可能となります。具体的な契約内容は、業務の内容、派遣期間、就業日、就業の開始・終了時刻、休憩時間、安全衛生に関する事項、苦情処理に関する事項、雇用の安定を図る措置、などとなっています。派遣会社では、この契約を「基本契約」と呼ぶことが多いようです。

ここで、注意が必要なことは、派遣社員と派遣先は雇用関係がないという点です。「雇用と使用の分離」が労働者派遣の最大の特徴といえます。

では、派遣労働契約とは何でしょう?

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2008-10-12

クーリング期間についての誤解

いわゆるクーリング期間について多くの誤解が見受けられます。例えば、派遣先が「クーリング期間があるから3ヶ月だけガマンして。3ヶ月経ったらまた働いてもらうから」ということを当然のように言う場合があります。この解釈、本当でしょうか。

まずクーリング期間を根拠付ける法的な規定は存在しません。派遣法の条文を見てもその文言すら出てこないのです。では、いったい何を根拠に言っているのかといいますと、平成11年労働省告示第138号「派遣先が講ずべき措置に関する指針」に見つけることができます。

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2008-10-10

改正の歴史

労働者派遣法の成立

昭和60年7月5日 「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」成立

昭和61年施行 成立当初は、専門知識、技術を必要とする業務として13業務のみが認められた。平成11年12月1日以前までに、派遣事業の業種は26業務まで拡大。

平成11年改正 ポジティブリスト方式からネガティブリスト方式に転換(派遣可能対象業務を定めるのではなく、派遣禁止業務をリストアップするもの)。

禁止業務として、①港湾運送業 ②建設業務 ③警備業務など

専門26業務とそれ以外で、派遣可能期間に差を設けた。すなわち、専門26業務は3年以内、それ以外は1年以内とされた。

平成16年改正 専門26業務に関して、派遣可能期間を大幅緩和して制限を撤廃。

その他の業務については、原則1年を限度し、派遣先の事情によっては最長3年まで認められるようになった。なお、その場合は派遣先の過半数労働組合の意見聴取又は過半数代表の意見聴取が必要とされた。

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2008-09-09

派遣を取り巻く数数字あれこれ

9月8日日経新聞夕刊から、派遣に関する気になる数字を拾ってみました。

男女比 4対6

派遣労働者 133万人(07年)

雇用者全体に占める派遣労働者の割合 2%

1日平均の賃金 1万571円(8時間換算) 06年度

派遣先で同一業務に継続して勤務している期間平均 23ヶ月

うち、登録型派遣ではその約半数が6ヶ月未満

就職先が見つからないため派遣社員を選んだ人 3割

できるだけ早い時期に正社員として働きたい人 27%

今後も派遣労働者として働きたい人 27%

こんな数字から派遣労働者の様子が見えてきます。雇用者全体の2%に過ぎないとは、意外に少ないのですね。

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2008-08-21

派遣の許可取り消し

厚生労働省は20日、労働者派遣法で禁止されている業務に労働者を派遣し、罰金刑が確定した人材派遣会社「オールテイク」(仙台市青葉区、遊佐修社長)に、派遣事業などの許可取り消しを通知した。取り消しは9月30日からで、一切の派遣事業ができなくなる。同社によると、05年10月から06年10月にかけて計7回、派遣が禁じられているスーパーの警備に労働者を派遣。08年4月、派遣した社員と同社に対する罰金刑が確定。同社は仙台市を拠点に東北や北関東など15事業所で派遣を行っている。製造業への長期派遣が多く、7月末現在で1日約2500人の労働者を派遣していた。(毎日新聞2008820日)

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2008-02-01

直接雇用の限界

直接雇用における派遣法の限界について触れておきます。一定条件を満たした場合派遣先に雇用契約の申し込み義務が発生します。派遣先が労働者を雇入れなければならない規制ですが、その雇入れ形態(労働者の身分)までは規制されていません。従って常用雇用である必要はないわけです。

厚生労働省「派遣労働者調査」に、登録型派遣労働者の「今後希望する働き方」というアンケート結果があります。できるだけ早い時期に正社員として働きたいかを尋ねたところ、1997年で19.6%だったものが、2005年では31.5%にまで増加しています。雇用が不安定な派遣という身分より正社員という安定した身分を望む方が年々増えています。

派遣先に雇用契約の申込み義務が発生する前に派遣契約を打ち切ったり、雇用したとしても、正規雇用ではなく契約社員だったり、正規雇用であっても労働条件が下がったりといったことが現実に起こっています。派遣法は雇用条件までは規制できませんから、ここに限界があるのです。

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2008-01-01

派遣法の歴史

19867 労働者派遣法施行

適用対象業務は13業務

198610 法改正

適用対象業務に3業務が追加され、16業務。

199411 改正高齢者雇用安定法施行

60歳以上の「高齢者派遣」の適用対象業務が、港湾運送、建設、警備及び物の製造業務を除いて原則自由化。

199612月 法改正

人材派遣を利用できる適用対象業務が専門的26業務に拡大。

199912 法改正

対象業務が一部を除いて原則自由化。それまでの「原則禁止、一部適用」という姿勢から、「原則自由、一部禁止」という姿勢へと大きく方向転換。ただし、港湾運送・建設・警備・医療および製造業は禁止。

200012 紹介予定派遣解禁

新しい雇用形態として紹介予定派遣が出現。

20036 法令改正200431日より施行)

1999年の改正に次いで大改正。 

1. 派遣期間制限の緩和

専門的26業種の派遣期間が、無制限に。26業種以外の職種に関しては、最長3年に延長。

2. 派遣対象業務の拡大

製造業において人材派遣が解禁。また、医療関連に関しては、療養施設やリハビリ施設、老人ホーム等の社会福祉施設等における衣装関係業務は解禁、病院・診療所における業務は紹介予定派遣に限って解禁。

3. 紹介予定派遣での事前面接、事前の履歴書送付の解禁

派遣先が社員雇用を前提としていることから、派遣就業開始前の派遣先 からの求人条件の明示や、事前面接・事前の履歴書の送付等の派遣先が派遣スタッフを特定する行為が可能に。ただし、派遣スタッフを事前に特定する場合には、年齢や性別による差別を行ってはならない等の規制あり。また、紹介予定派遣の受け入れ期間は6ヶ月が上限。

20064月 法改正 

派遣が禁止されている医業等の範囲から、育児休業期間中の代替派遣及びへき地(離島、山村、過疎地域など)における医業が除かれた。

派遣業を営む限りにおいて、派遣法の理解は絶対必要です。派遣先は派遣法に精通していないことが一般的でしょうから、派遣元がしっかり法令に精通していないと思わないところで足元をすくわれかねません。何よりも大事な視点は、派遣で働くスタッフが気持ちよく仕事ができるように、派遣元がしっかり派遣先と交渉すること。派遣元の営業の力量が大きく問われます。派遣会社の最前線で派遣先顧客と向き合う営業はたいへんですが、派遣スタッフのために一生懸命勉強してもらいたいものです。それが、結果として会社の評判となって帰ってくるし、回りまわってお給料となって帰ってくるのですから。お給料は会社からもらっているという意識ではダメで、派遣でがんばって働いてくれているスタッフからいただいているという意識を忘れてはいけません。

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